シャドーワーク 個人と組織の課題

シャドーワーク―知識創造を促す組織戦略

シャドーワーク―知識創造を促す組織戦略

シャドーワークのメリットは、指示された範囲での業務から外れることで視野を拡大し、過去の延長戦に上にはない、新しいアイデアを創出する確率を高める点にある。しかしながら、管理された領域から外れる行動は、評価の対象にはなりにくく、社員にとってモチベーションにつながりにくい。したがって、属人的な要素が強く、企業側ではマネジメントが困難と受け取られる。


逆にいえば、属人的な要素が強いからこそ、シャドーワークなのである。特定の社員を選んで、その社員にシャドーワークを強制することはできない。しかし、シャドーワークを阻む障害を減らし、促進する風土を形成すれば、自発的にシャドーワークを行う社員の構成比が高くすることは可能だと考えられる。Googleのように、20%ルールの存在を周知し、採用で参画意識の高い人材を獲得することで、構成比を高める、そうのような方法もある。


シャドーワーカーには社内外のネットワークが必要

シャドーワークは既定の業務から外れて、新たな視座を得るための手段である。このため、シャドーワークで結果を残すのは、普段から社内外にネットワークを持ち、問題解決を実践している人材に顕著に表れるという仮説がある。社内に閉じこもっていては、インプットとなる情報に偏りが生じ、新しい視座は得られにくいというからだ。


シャドーワークを阻むマイクロマネジメント

また、シャドーワークを阻む障害の主たるものは、上司によるマイクロマネジメントだと考えられる。部門や課を集めて、日々の業務を報告させるといった管理方法は、部下から裁量の余地を奪う。Googleのように企業として20%ルールを公言しているケースは別だが、すべての社員がシャドーワークを実践するのは無理だと思う。むしろ、一律の管理を見直し、意欲のある社員については、裁量の余地を提供するのが望ましいと思われる。